トヨタのGRヤリス。このご時世に、こんな車がトヨタから出て来るというのに驚きを感じる。会社自体の余裕と、社長の性格があってのGRヤリスであろう。トヨタのサイトからカタログを依頼したら、ついでに試乗も頼めるっぽいので、近くのディーラーに試乗をお願いした。
用意してもらったのは、GRヤリス RZ "High Performance"。最上モデルで、お値段456万円(税込)である。しかも予防安全パッケージは、この値段には含まれない。届いたカタログも高級感があるものだ。
事前にスタイリングとかは理解していたが、実写を見てみると、やはり非常にコンパクト。全高も結構低い。GRのファミリー顔は好みではないが、この車にはそこそこ合ってる。乗り込むとその分狭さを感じる。特に後席は利用不可能であるな。このあたりは、もう少し実用性があっても良い気もするが。あと、トヨタ全般に言えるが、センターコンソール上部に鎮座するモニターが非常に邪魔い。
ディーラーの周りを20分くらい乗れただろうか。直線で加速を少し味わったが、やはり速い！低速では3気筒のビート感がドロドロと重々しく、回転が上がっていくとスムーズになる不思議な感覚。ハッチバックにしては視界はあまり良くない。シフト位置は手元に近くて扱いやすい。ブレーキタッチは低速ではカックン、速度が出ているとある程度踏まないと効いてこない気がした。慣れが要る。アクセルと段差があり過ぎるようで、ヒールアンドトゥが難しい。これは結構不満ポイント。
分かりきったことだが、これはサーキットで楽しむ車。グランドツーリングとして乗っても、速すぎてあまり爽快ではない気がした。値段も性能もすごい車だが、試乗では自分にはあまり響かなかった。その性能を発揮できる領域で楽しめる人、あるいはその性能を所有したい人が買う車だな。
